ジャングルの湿気を、幾晩もくぐり抜けた布。
刻印はDSA100-72-C-1281。1972年発注、まさにベトナム戦争の終盤にあたるロット番号だ。オリーブグリーンのナイロン地に、大きく「US」の文字がプリントされたキャンティーンポーチ(水筒カバー)である。
二重フラップとスナップ
蓋は左右から折り重なる二重フラップ式で、それぞれに金属スナップボタンが付く。中の水筒を雨や泥から守りつつ、ワンタッチで開閉できる合理的な構造だ。ベルトに通すループも背面に備え、行軍時は腰まわりに固定して携行した。
ナイロン地という選択
綿キャンバスが主流だった旧世代のポーチと違い、ナイロン素材は湿気を吸いにくく、乾きも早い。高温多湿なジャングル戦を経験した米軍が装備の素材を見直していった過程を、この一枚からも読み取ることができる。
時代の証人として
生地のマチにはステッチの補強が入り、実戦での酷使に耐える作り。色褪せや小さな汚れはあるものの、破損は無く現存状態は良好——ベトナム戦争当時の野戦装備をそのまま伝える一点だ。






