ジャングルの汗を吸った、カーキ一色の実用シャツ。
カーキ色のコットンシャツ——それだけでベトナム戦時代の米陸軍が透けて見える一着。肩には肩章のループ、胸には蓋付きポケットが左右二つ。装飾を削ぎ落とした実用一辺倒のデザインは、当時の野戦服そのものです。
ジャングルフェイティーグの相棒として
ベトナムの高温多湿な戦場で、米兵はコットン製のシャツを重宝しました。速乾性のウール混紡が主流になる前の世代で、汗をかいてもすぐ乾く綿の風合いは現地の気候に合っていたと言われます。裾を出して着るスタイルも、当時の兵士の写真によく見られる着こなしです。
内側に残る検査スタンプ
身頃の内側、腰のあたりに薄く残るのが軍の検査・サイズ表示スタンプ。数字とアルファベットの組み合わせは、支給時のサイズ管理や契約ロットを示すもので、当時の官給品らしい無骨な痕跡です。今では退色して読み取りにくい部分も含め、経年そのものが証拠品になっています。
見どころは袖と襟の縫製
袖口はボタン留めの簡素な仕様、襟は開襟でネクタイなしでも着られる作り。肩章のタブは実戦での階級章取り付けを想定したもので、装飾ではなく機能です。半世紀以上前の一枚が、色落ちしながらも形を保っているのは綿生地とがっしりした縫製のおかげ。実際に袖を通してみると、シンプルさゆえの着やすさに気づくはずです。






