蚊の一匹も通さない、野戦の夜を守る網。
オリーブグリーンの細かいメッシュ——広げると人ひとりをすっぽり覆う大きさになる、米軍の一人用モスキートネットです。四隅と側面に付いたテープ紐で、寝袋やベッドの上に吊るして使う仕組み。派手さはありませんが、熱帯・亜熱帯の駐屯地では欠かせない装備でした。
虫が本当の敵だった戦場で
ジャングルや湿地帯を戦場にした部隊にとって、マラリアやデング熱を媒介する蚊は銃弾と同じくらい恐れられた相手。ネット一枚で睡眠中の被害を大きく減らせるため、支給品リストの定番でした。畳んで小さくまとまるのも携行品として理にかなっています。
目の細かさと縫製に注目
生地は光にかざすとうっすら向こうが透けるほど目が細かく、それでいて通気性は保たれています。縁は丁寧にステッチで補強され、吊り紐の付け根も二重縫い。何十年も畳まれていた品にしては、破れや大きなほつれが少なく状態は良好です。
アウトドアでも現役
軍払い下げ品として見ると地味な部類ですが、実用面では今のキャンプ用蚊帳と何ら変わりません。色味も落ち着いたオリーブで、タープや寝袋と合わせても浮かず馴染みます。当時の兵士が夜露と虫から身を守った、その延長線上で使える一枚です。






