水道のない戦場で、体を洗うための一杯の水を運ぶ布バケツ。
コットンダック地の円筒形バケツ——側面に大きく「US」のスタンプが押された、1969年製の米軍シャワーペイルです。内側の底には金具の穴が空いており、本来はここにシャワーヘッドを取り付けて吊るし、簡易的な野外シャワーとして使う道具でした。
折り畳んで携行、吊るして使う
内側のタグには「SHOWER PAIL COTTON DUCK COLLAPSIBLE 5 GAL」の刻印。5ガロン(約19リットル)の水を溜められる容量で、使わないときは平らに畳んで持ち運べる設計です。契約番号や製造会社名まで読み取れる状態で、当時の官給品らしい几帳面な表記が残っています。
ベトナム戦の駐屯地で活躍した道具
常設のシャワー設備が整わない前線や仮設基地で、こうした携行式のシャワーバケツは兵士の衛生管理に欠かせませんでした。丈夫なコットンダックは水を張っても型崩れしにくく、繰り返しの使用に耐える作りです。
今はインテリアとしても
シャワーヘッドは失われていますが、持ち手のストラップはしっかり残り、実用小物入れとしても使える丈夫さ。お店の紹介にもあるように、屑籠代わりに置いても様になる無骨な佇まいです。半世紀の時を経てなお、綿生地の厚みと縫製のしっかりさが手に取るとよく分かります。







