塹壕を掘る道具を、背中で運ぶための一枚の布。
ウッドランド迷彩のポーチ、蓋には楕円形のフラップとプラスチック製バックルの留め具。中に納まるのはエントレンチングツール——折り畳み式のスコップです。裏面にはPALSウェビングが縫い付けられ、ベストやバックパックのMOLLEシステムに固定して背負えるようになっています。
USMC E-TOOL CARRIERというタグの重み
裏地のタグには「USMC E-TOOL CARRIER」の文字とともに、契約番号「DAAD16-01-P-0743」、NSN「5140-01-478-0345」が印字されています。DAADから始まる契約番号は陸軍の調達システムを示すもので、海兵隊仕様の装備が陸軍経由で発注・製造されていたことをうかがわせる資料的な手がかりです。
塹壕掘りは今も昔も基本装備
塹壕を掘る、車両を脱輪から救出する、簡易トイレを作る——エントレンチングツールの使い道は多岐にわたり、歩兵にとって銃と同じくらい欠かせない道具でした。このキャリアはそのスコップを腰やバックパックの外側に固定し、両手を空けたまま行軍できるようにするための実用装備です。
迷彩とMOLLEが語る世代
ウッドランド迷彩とPALSウェビングの組み合わせは、1990年代から2000年代前半にかけての米軍装備の典型的な特徴。デザートやマルチカムへの移行前、湾岸戦争からアフガン・イラク戦争初期にかけて広く使われた世代の装備であることが、色柄と作りから読み取れます。






