外は風を切る布、内は暖を抱くキルト。二枚仕立ての防寒着。
オリーブグリーンのM-65フィールドコートに、キルティング仕立てのライナーを内側から組み合わせた一着です。襟元のタグには「EXTREME COLD WEATHER PARKA」の文字。表地の実用性と、着脱式ライナーによる保温性を両立させた、米陸軍の寒冷地対応装備です。
取り外し式ライナーという発想
M-65フィールドコートの大きな特徴は、内側に取り付けるライナーを季節や気温に応じて着脱できる点にあります。夏はライナーを外して表地だけで、冬はボタンで固定して保温性を高める——一着で複数の気候に対応できる合理的な設計思想が、当時の米軍装備全体に通じています。
内側に縫い付けられた警告タグ
ライナーの襟裏には「取り外し洗濯時の注意」を記した布タグが今も縫い付けられています。可燃性への注意書きなど、支給品としての管理情報が細かく記載されているのも当時の官給品らしい特徴。表地の袖口には補強用のパッドも当てられ、実戦での耐久性を意識した作りが随所に見られます。
風合いに残る使用の記憶
生地は使用感のある柔らかさで、袖や裾には長年の着用によるくたびれが見られます。それでもボタンやジッパー、ライナーの留め具はしっかり機能しており、当時のまま今も着られる状態の良さが魅力です。






