整備兵のつなぎは、なぜ迷彩柄なのか
カバーオールと聞くと工場の作業服を思い浮かべる人が多いだろうが、これは米軍が実際に採用したメカニック用のつなぎだ。生地に縫い付けられたラベルには「COVERALLS, MECHANICS, DESERT TAN」の文字とNSN(米軍調達番号)8415-01-430-2315がそのまま残っている——量産された制式装備である何よりの証拠だ。
デザート3色迷彩の時代
柄は湾岸戦争からイラク戦争初期にかけて主流だったデザート・カモフラージュ(通称DCU柄)の3色パターン。ベージュ・ブラウン・グリーンの3色を組み合わせたこの迷彩は、その後より複雑なマルチカム系へ移行していったため、今となっては特定の時代を語る柄でもある。整備兵や車両クルーが戦闘服の上から羽織り、油汚れやグリスから制服本体を守る目的で使われた。
素材はナイロン混紡
ラベルにはNYLON/COTTONの表記。綿だけでは強度が足りず、かといって化繊100%では耐熱性に難がある——その折衷がこの混紡だ。製造は「MARSHON'S FASHIONS」という軍需縫製メーカーで、契約番号SP0100-04-D-4180も確認できる。エアフィルターやエンジンオイルにまみれる現場で使う前提の、頑丈さ優先の一着。
サイズ感と着こなし
Lサイズは身長180cm前後を想定した作り。実物ゆえの汚れは隠さず、むしろ「使い込まれた質感」として楽しむのがミリタリー古着の流儀だ。ワークウェアとして単体で着るもよし、レイヤードの一枚として羽織るもよし——実戦帰りの一枚には、既製品にはない説得力がある。






