胸に部隊の紋章を背負う、独空軍のパイロット革ジャン
革の質感と部隊パッチ——フライトジャケットの魅力はこの二つに尽きる。今回の一着はドイツ空軍(GAF)由来で、セージグリーンの本革に部隊章がびっしり縫い付けられている。
LECK GAF 521の部隊パッチ
左胸のパッチには「LECK GAF」「521」「UBI SUMUS」の文字とともに、飛行帽をかぶったキャラクターが描かれる。UBI SUMUSはラテン語で「我々はどこにいるか」という意味の部隊モットー。LECKはドイツ北部シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州にある空軍基地Fliegerhorst Leckを指し、冷戦期から戦闘爆撃機部隊が置かれてきた土地だ。右胸には牙をむいた黒豹に「52」と入ったパッチも並び、複数の部隊章を重ねて着けていたパイロットの個人所有品だったことがうかがえる。
襟のリブと袖口が語る作り
襟と袖口はニットのリブ編みで、風の侵入を抑えるコックピットジャケットの定番仕様。ジップポケットや胸ポケットも実用重視の配置で、飛行中に手袋をしたままでも扱いやすい。表面には着用によるシワと艶が刻まれ、量産品にはない一点物の風合いを見せている。
肩の国旗パッチが示す出自
両肩には黒・赤・金のドイツ国旗パッチ。NATO加盟国の空軍パイロットジャケットには自国旗を付ける習慣があり、これがドイツ製・ドイツ空軍払い下げであることを裏付けている。部隊史を紐解く手がかりを胸に抱えた、コレクター心をくすぐる一枚だ。







